連日の誤審騒動が浮き彫りにする、NPBビデオ判定制度の限界
周東選手の一塁走塁と神宮のホームラン誤審から考える
この数日、日本プロ野球の判定制度をめぐって、ファンの間で大きな議論が巻き起こっています。
日曜日の試合で起きた周東佑京選手の一塁への走塁判定と、昨日神宮球場で起きたホームラン誤審。いずれも「ビデオ判定」が行われたにもかかわらず、納得のいかない判定が下され、多くの不満が噴出しました。

【1】地方球場の限界:決定的映像が審判に届かなかった日曜日のプレー
5月25日(日)の試合、周東選手の一塁へのヘッドスライディングが「アウト」と判定されました。しかし、中継映像では足が先にベースに触れていたようにも見え、多くのファンが「セーフでは?」と疑問を抱きました。
問題は、この試合が地方球場で開催されたことです。審判団に提供された映像は限られており、判定を覆すだけの「決定的な証拠」にはならなかったという説明がなされています。
しかし、中継に使用されたすべてのカメラ映像が審判団に提供されていたなら、判定は違っていた可能性もあるでしょう。

【2】目視の限界:神宮でのホームラン誤審
5月27日(火)の神宮球場では、打球がライトポールの上を通過してスタンドイン。しかし判定は「ファウル」とされ、ホームランは認められませんでした。
このケースの難しさは、まさに打球がポールの“上”を飛んだことにあります。カメラアングルや肉眼では、軌道を正確に判断するのは非常に困難です。
仮に、**MLBが導入している「スタットキャスト3D」**のような技術があれば、打球の正確な三次元軌道が計算され、明確な根拠を持った判定が可能だったはずです。
【3】求めるのは制度ではなく“情報の充実”
私は、MLBのようなチャレンジ制度を導入すべきだとまでは主張しません。
ただし、審判団が正確な判定を下すための“十分な情報”が与えられていない現状には、大きな問題があると感じています。
地方球場では映像が不十分、本拠地スタジアムでもテクノロジーが未整備。そんな中でビデオ判定が“最終判断”として扱われてしまえば、むしろ判定への信頼を損なうリスクすらあるのです。
【結びに】信頼される判定制度を目指して
ビデオ判定は「誤審を正すための手段」であるべきです。
そのためには、あらゆるカメラ映像を提供する体制や、テクノロジーを活用した補助判断システムが欠かせません。
一瞬の判定が、試合の流れや勝敗を左右するプロ野球において、誤審が“連日”起きてしまう現状は、ファンにとっても選手にとっても非常に残念です。
今こそ、制度と運用両面での見直しが求められているのではないでしょうか。
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